池田蕉園と輝方 ─夢みる美人画
2025年4月19日(土)〜6月1日(日)
池田(旧姓榊原)蕉園(1886~1917)は、明治時代末期から大正時代初期に、夢みるように甘美で、はかなげな女性の姿を描いて一世を風靡しました。
蕉園は15歳のときに浮世絵の流れをくむ水野年方(1866~1908)に入門し、同門の池田輝方(1883~1921)といつしか相愛の仲となります。年方が取り持ち婚約しますが、輝方は忽然と姿を消し、その間の煩悶を創作へと昇華させた蕉園は、一気に才能を開花させました。そして約7年の別離を経て結ばれた2人は、文展(文部省美術展覧会)で共に受賞を重ねるなど、おしどり画家として華々しい活躍をみせました。浮世絵に多くを学びながら、近代的な写実性と若々しい感受性によって描かれた2人の女性像は、竹久夢二(1884~1934)にも影響を与えるなど、近代美人画の形成に大きく寄与したと言うことができるでしょう。特に蕉園は、上村松園(1875~1949)とともに美人画家の双璧として「西の松園、東の蕉園」といわれ、また大阪の島成園(1892~1970)を加え「三都三園」と並び称されるほどでした。在世中は大変な人気でしたが、蕉園31歳、輝方38歳で早逝したため、忘れられた存在となってしまいます。
本展覧会は、蕉園と輝方の画業を本格的に紹介する初めての企画です。直筆の肉筆画をはじめ、江戸懐古趣味を映し出す木版画、泉鏡花ら文芸界との親しい交わりから生まれた小説の木版口絵や婦人雑誌の挿絵にいたるまで、代表的な作品を一堂にご紹介します。
また近年、再発見された明治44年(1911)第5回文展の出品作『髪』(東京国立博物館所蔵、5月13日~6月1日展示)、大正4年(1915)第9回文展の出品作『かえり路』(東京国立近代美術館所蔵、全期)、大正5年(1916)第10回文展の出品作『こぞのけふ』(久光製薬株式会社所蔵、全期)を揃ってご覧いただくことができる貴重な機会となっております。
浮世絵をはじめ近代絵画の伝統に学びつつ、大きく花開いた近代美人画の魅力をお楽しみください。
記念講演会
「蕉園と輝方 時代をうつす美人画の魅力」
- 2025年4月19日(土)13:30 ~ 15:00
- 講師 古田あき子氏(美術史家)
- 会場 本館講座室
- 聴講無料、事前申し込み不要
ギャラリー・ツアー(担当学芸員による作品解説)
- 会期中 毎週日曜日 11:00 ~ 12:00
- 事前申し込み不要(要観覧券)
開催概要
展覧会名 | 池田蕉園と輝方 ─夢みる美人画 |
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会期 | 2025年4月19日(土)〜6月1日(日) |
開館時間 | 9:00~17:00(入館は16:30まで) |
観覧料 | 一般 1,500(1,300)円 学生・ 70歳以上1,300(1,100)円 18歳以下無料
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主催 | 蕉園と輝方展実行委員会(山口県立萩美術館・浦上記念館、読売新聞社、KRY山口放送) |
企画協力 | 古田あき子氏(美術史家) |
展示作品例






