山口県立萩美術館・浦上記念館|山口県萩市

特選鑑賞室

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収蔵する浮世絵の中から厳選した優品1点を
月替りでご紹介しています。

令和5年度(2023年度)

4月

絵師未詳
「花筏」

享保〜宝暦期(1716〜1763) 横中判錦絵

桜の舞い散る中、振袖姿の侍女が貴人を載せた筏船の舵を取り進んでいます。紅を主体に筆彩色を行った紅絵。初期浮世絵の素朴さと中世的な画題が調和した典雅な作品。

画像:花筏

5月

飾北斎
「風流無くてなゝくせ 遠眼鏡」

享和期(1801〜1803)頃 大判錦絵

北斎の希少な美人大首絵。無くて七癖とは誰にも癖があるという意味の諺。外出して遠眼鏡を覗く母娘は物見遊山癖か。細面の上品な顔立ちは、享和期の美人画の典型です。

画像:風流無くてなゝくせ 遠眼鏡

6月

鳥文斎栄之
「青楼美人六花仙 越前屋唐土」

寛政5〜6年(1793〜1794)頃 大判錦絵

花魁を花にたとえ六歌仙に音を通わせた揃物。本図は詠歌を思案する唐土を百合に見立てます。栄之は、片膝を立てた様式を創案し、気品漂う美人像で名声を得ました。

画像:青楼美人六花仙 越前屋唐土

7月

鳥高斎栄昌
「お高祖頭巾 牡丹」

寛政8年(1796)頃 大判錦絵

黒い頭巾からのぞく白い肌が艶めかしい。ごま摺という技法で薄物が透ける様子を表現しています。鳥高斎栄昌は栄之の高弟。親しみやすく甘美な女性像が特徴です。

画像:青楼美人六花仙 越前屋唐土

8月

鳥居清長
「当世遊里美人合 蚊帳の内外」

天明2年(1782)頃 大判錦絵

天明期、長身の健康的な女性像で一世を風靡した鳥居清長。岡場所を中心に、遊女や芸者の姿を活写しました。本図は客が待つ蚊帳に入ろうとする遊女に、同輩が声をかけた場面。

画像:当世遊里美人合 蚊帳の内外

9月

喜多川歌麿
「難波屋おきた」

寛政5年(1793)頃 大判錦絵

水茶屋難波屋の看板娘おきた。寛政の三美人に数えられた実在の人物。絵姿は飛ぶように売れたといいます。歌麿は、表情や仕草のわずかな違いから、女性の性格や内面まで描き出しました。

画像:難波屋おきた

10月

鈴木春信
「五常 仁」

明和4年(1767) 中判錦絵

儒教で説く5つの徳に詠歌を添えた揃物。本図は思いやりを意味する仁。多色摺が高度に発達した錦絵の草創期に活躍した春信。夢幻世界のような美人画で人気を博しました。

画像:五常 仁

11月

奥村政信
「草子洗小町」

寛保〜延享期(1741〜1747) 横大判紅摺絵

草子洗小町は、草子に書き込まれた歌を洗い流し自作と証明したという小町伝説。数色の版彩色を行う紅摺絵は、素朴な色彩と精緻な版表現が魅力。政信晩年の豪華な大判作品。

画像:草子洗小町

12月

溪斎英泉
「美艶仙女香 はつ雪や」

文政中期(1822〜1825) 大判錦絵

白粉「美艶仙女香」の宣伝を兼ねた美人画の揃物。雪や女性の肌の白さに白粉を連想させます。溪斎英泉は幕末の退廃的な美意識を表現し、官能的な女性像を描きました。

画像:草子洗小町

1月

菱川師宣
「よしはらの躰 高嶋見世先」

延宝後期〜天和期(1678〜1683) 横大判墨摺絵

菱川師宣は、歌舞伎や遊郭など享楽的な当世風俗を描き、浮世絵の祖といわれます。本図は吉原を描く12枚の墨摺絵組物の1図。左は格の高い格子店。右は最下級の遊女屋。

画像:よしはらの躰 高嶋見世先

2月

礒田湖龍斎
「雛形若菜の初模様 がくたはらや内れん山」

安永5年(1776)頃 大判錦絵

吉原遊女を主題に安永6年頃から5、6年間、連続的に出版された120枚余りの大シリーズ。湖龍斎は、量感のある肉感的な美人様式を確立しました。

画像:よしはらの躰 高嶋見世先

3月

鈴木春信
「風流五色墨 長水」

明和5年(1768) 中判錦絵

俳諧集『五色墨』の長水「紅梅に青く横たふ筧哉」の句意をふまえ、若い男女が手紙を取り合う場面。春信は当世人物に古典文学の意味を通わせる見立絵を多く制作しました。

画像:よしはらの躰 高嶋見世先

観覧料

一般300(240)円、学生200(160)円

70歳以上と18歳以下の方、および高等学校、中等教育学校、特別支援学校に在学する生徒は無料です。