鬼萩花冠高台茶碗 銘 命の開花 おにはぎかかんこうだいちゃわん めい いのちのかいか
三輪壽雪(十一代休雪) みわじゅせつ(じゅういちだいきゅうせつ)
![画像:[鬼萩花冠高台茶碗 銘 命の開花]の画像](https://hum-web.jp/wp/wp-content/uploads/2025/03/ippin_20250401.jpg)
- 2003年
- 当館蔵(久井政男氏・西ケ谷京子氏寄贈) 撮影:下瀬信雄
三輪壽雪【みわ じゅせつ】(1910~2012)は、山口県萩市生まれ。本名は節夫【さだお】。江戸時代に長州藩御用窯【ごようがま】であった三輪家の家督を継いでいた兄の休和【きゅうわ】(1895~1981、十代休雪【きゅうせつ】)を助け、1927年に家業を手伝うようになります。1955年には陶号の「休【きゅう】」を名乗り作品を発表し、作家活動を始めます。1967年には、隠居した休和の跡を継いで十一代休雪を襲名。休和の半人前という意味を込めて名乗ってきた「休」から「休雪」となり、一人前の作家として歩み始めます。家業を手伝っていた頃、茶の湯に親しみ、自ら作陶を行うようになった財界人であり陶芸家の川喜田半泥子【かわきた はんでいし】から受けた影響もあり、休雪となってからは茶碗の造形性が高まっていきます。類を見ない独自のスタイルは高い評価を受け、1983年には重要無形文化財「萩焼」の保持者(人間国宝)に認定されます。
本作品は、壽雪の茶碗の特徴をよく表した鬼萩【おにはぎ】茶碗です。名前に違わずその荒々しい風貌には、やさしい白色の休雪白【きゅうせつじろ】がかかっています。そして、大振りな碗を支える高台は、壽雪スタイルを象徴する花冠高台【かかんこうだい】となっており、中央から4片の花弁が開くような形となっています。鬼萩、休雪白、花冠高台と三拍子揃った本作品は壽雪茶碗の到達点とも言えるものです。
2025年1月2日(木)から2025年4月13日(日)まで
コレクション展・東洋陶磁・陶芸「茶陶 萩」にて出品
コレクション展・東洋陶磁・陶芸「茶陶 萩」にて出品