東海道五十三次之内 箱根 湖水図 とうかいどうごじゅうさんつぎのうち はこね こすいず
歌川広重 うたがわひろしげ
- 天保4~5年(1833~1834)頃
- 横大判錦絵
- 当館蔵
この絵を見る誰もが、画面の中央に描かれた箱根の主峰に、目を奪われるのではないでしょうか。芦ノ湖側から切り立った断崖が上に向かって盛り上がる形は、実際の山の形とは異なるものです。広重は創造力を発揮し、誇張して描いているのです。さらに黄や茶、緑、茶、青といったカラフルな色の断片をモザイクのように組み合わせ、ゴツゴツとした岩のある斜面をデフォルメして表現しています。
山の谷間にある坂道には、大名行列の長い列が山の中へと消え入るように描かれています。それによって絵に奥行を感じさせます。
主峰の中腹から、湖を囲むように低く連なる山脈の中には、箱根権現社が見られ、はるか遠くに真っ白な富士山の姿が描かれています。
芦ノ湖は、画面に収まりきらないサイズに描くことで、画面の外に広がる雄大な風景を見る人に想像させます。
広重の風景画は、季節や天候により変化する自然の中に、詩情を豊かに表現している点が高く評価されています。その詩情とは、モティーフの形や色彩、構図などによって、絵を見る人の感情に訴えるものです。そこには広重の緻密な計算があるのです。
2026年10月14日(水)から11月15日(日)まで
コレクション展・浮世絵「開館30周年記念 特別企画 歌川広重Ⅱ 東海道五十三次之内」にて出品
コレクション展・浮世絵「開館30周年記念 特別企画 歌川広重Ⅱ 東海道五十三次之内」にて出品