山口県立萩美術館・浦上記念館|山口県萩市

おすすめの一品

  1. ホーム
  2. おすすめの一品

冨士三十六景 相模七里か浜 ふじさんじゅうろっけい さがみしちりがはま

歌川広重 うたがわひろしげ

画像:[冨士三十六景 相模七里か浜]の画像

 サーファーたちでにぎわう湘南の七里ヶ浜は、江戸時代には、江戸から江の島へ向かう際の通い路として親しまれました。
 ゆるやかにカーブしながら続く海岸。目の前では江の島が海に浮かび(潮が引くと陸続きになることもあります)、その向こうには富士山が姿を現します。江の島も富士山も、信仰の対象となった場所。ふたつを同時に見渡すことのできる光景の美しさたるや、神聖さたるや、言うまでもありません。
 広重は、この絶景を絵の主役としながらも、主張しすぎない大きさで人物を描き込んでいます。例えば、茶店でくつろぐ女性たち。江の島は江戸からほど近く、また、女人禁制ではなかったため、多くの女性が訪れました。二人は揃いの浴衣を着ているので、共に参拝する仲間なのでしょう。また、波打ち際には物乞いの子どもたちがいます。手を差し出して、男性の後ろをついていきます。ところで、すぐそこまで来てる波、高くないですか?「気を付けて。危ないよ…!」と声をかけたくなりますが、これは、七里ヶ浜の波が強いことをふまえた表現です。

2026年9月15日(火)から10月12日(月・祝)まで
コレクション展・浮世絵「開館30周年記念 特別企画 歌川広重 Ⅰ 冨士三十六景」にて出品

これまでのおすすめの一品