接合せ箱「麦秋」 はぎあわせばこ ばくしゅう
山本 晃 やまもと あきら
![画像:[接合せ箱「麦秋」]の画像](https://hum-web.jp/wp/wp-content/uploads/2025/06/ippin_20250716.jpg)
- 1999年
- 当館蔵(神田眞道氏・栄子氏寄贈)
本作品には「麦秋」という名前が付けられています。「麦秋」の時期は少し過ぎてしまいましたが、その風景は6月頃の初夏を感じさせる風物詩です。麦の穂が実り、収穫時期を迎える頃になると、麦畑が黄金色に輝くような景色をご覧になった方もいらっしゃるのではないでしょうか。本作品は、まさに、その風景を表現しているのです。作品を詳しく見ていくと、麦の穂は針状に伸びる禾【のぎ】と粒状になった種子が表現されています。禾の表現には、山本の代表的な技【わざ】である「接合せ【はぎあわせ】」が使われています。接合せとは、簡単に説明すると金属板をつなぎ合せることを言い、本作品は色の異なる金属板をつなぎ合せているため色彩に深みが出ており、黄金色に表現された種子の存在も相まって、収穫時期の豊かな実りを見事に表現しています。
2025年4月19日(土)から2025年8月31日(日)まで
コレクション展・追悼展示「追悼 人間国宝 山本晃―彫金のわざと美」にて出品
コレクション展・追悼展示「追悼 人間国宝 山本晃―彫金のわざと美」にて出品