山口県立萩美術館・浦上記念館|山口県萩市

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萩立獅子置物 はぎたちじしおきもの

七代三輪休雪 ななだいみわきゅうせつ

画像:[萩立獅子置物]の画像

萩焼と言えば茶碗というように茶陶のイメージが強いやきものです。
しかし江戸時代には茶道具のほか、日常使いの器から床の間の置物まで様々な器物がつくられ、窯によってもある程度得意な分野があったようです。
中でも三輪窯は寛文3年(1663)に萩藩の御雇細工人として召し抱えられた三輪利定(初代休雪)を祖とする窯で、精巧な細工物を得意とし、江戸時代後期になると床の間に飾る置物を数多く手がけています。
今回展示した萩立獅子置物(はぎたちじしおきもの)もそのひとつで、内部に「三輪氏 源太左衛門調之」と記され、三輪家七代休雪(源太左衛門)の作とわかります。
獅子はお正月におこなわれる獅子舞でもおなじみの霊獣で、厄払いや健康祈願のご利益があると考えられていました。
本作品もそうした吉祥的な意味が込められた正月の縁起物として、しかるべきお屋敷の床の間に飾られていたものかもしれません。
それはともかく、その姿や表情には霊獣というような厳めしさはなく、愛犬が得意のポーズを決めているようにも見え、何とも言えない愛らしさが漂います。
堅苦しい正月の挨拶の席、何気なく目をやった床の間の珍獣の姿に、主人も客も思わず顔をほころばせた光景が思い浮かびます。

2025年9月30日(火)から2025年12月21日(日)まで
コレクション展・東洋陶磁「古萩」にて出品

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