誠忠義士肖像 大星由良之助良雄 せいちゅうぎししょうぞう おおぼしゆらのすけよしお
歌川国芳 うたがわくによし
- 嘉永5年(1852)
- 大判錦絵
- 当館蔵
赤穂義士の討ち入り姿を半身像で描いたシリーズの1図です。義士は総勢47名ですが、出版が確認されているのは12図のみ。
本作に描かれているのは、大石内蔵助。画面右上には「大星由良之助良雄」とあり、史実の名前ではなく、歌舞伎や人形浄瑠璃で親しまれた役名で記されています。由良之助は、おそらく床几(しょうぎ)に腰かけているのでしょう。腹の据わった頭領というイメージにふさわしく、落ち着いた表情をしています。
よく見ると、黒目のなかには白点があり、光を受けて輝く様子が表現されています。また、濃い肌色で鼻や眉のあたりに陰影をもたらしたり、腰に差した二本の刀を短縮法で描いたりと、西洋画から学んだ写実的な工夫がうかがえます。近代的な雰囲気をおびた人物表現が見どころです。
2025年11月26日(水)から12月21日(日)まで
コレクション展・浮世絵「忠臣蔵」にて出品
コレクション展・浮世絵「忠臣蔵」にて出品