萩赤楽茶碗 はぎあからくちゃわん
三輪休雪(初代) みわきゅうせつ(しょだい)
- 元禄16年(1703)
- 当館蔵
萩焼の茶碗といえば、ざんぐりとした土味、温かみのある色調、使い込むほどに味わいを増す釉の表情・・といったイメージを思い浮かべる方も多いことでしょう。
しかし約400年にもおよぶ萩焼の歴史に目を向けると、必ずしもこうした「らしさ」に当てはまらない作品もあります。
今回展示した〈萩赤楽茶碗〉もそのひとつ。
鮮やかな柿色に発色する土を用いた茶碗で、重さが軽く、しかもロクロではなく手びねりで作っているところが一般的な萩焼との決定的な違いです。
茶碗そのものに銘はありませんが、木箱には元禄16年(1703)の年記とともに「三輪休節作」と墨書が記されています。
この「休節」は寛文3年(1663)に萩藩の御雇細工人として新たに召し抱えられた三輪忠兵衛利定(初代三輪休雪)のことと考えられます。
利定は技量が抜群であったことから、元禄13年(1700)には藩命により京都の樂家で楽焼を学び、その後4代利之も楽焼修行をおこなったと伝えられています。
ロクロと手びねりの違いを乗り越えることは簡単ではなく、釉薬や焼成の方法にも大きな隔たりがあったことは言うまでもありません。
しかし〈萩赤楽茶碗〉を見る限り、利定は楽焼の技法をみごとに吸収し、藩主の期待にこたえたと言えそうです。
2026年1月17日(土)から2026年4月26日(日)まで
コレクション展・東洋陶磁・陶芸「三輪窯―陶の造形―」にて出品
コレクション展・東洋陶磁・陶芸「三輪窯―陶の造形―」にて出品