青花葡萄栗鼠文壺 せいかぶどうりすもんつぼ
- 朝鮮 朝鮮時代・ 19世紀
- 当館蔵(浦上敏朗氏寄贈)
青花は、コバルトと呼ばれる顔料をつかって、青色の文様(絵)を器の表面に描いたやきもののことを言います。「青」は青色、「花」には文様と言う意味があり、中国や朝鮮半島では青花と呼ばれています。
本作品は、躊躇【ちゅうちょ】のない伸びやかな筆遣いが特徴で、栗鼠の姿は生き生きと見え、枝から伸びる蔓【つる】や大きな葉は葡萄の特徴をよく表し、器の側面には丸々とした実まで描かれ、全体に愛らしい構図が展開しています。じつは、栗鼠や葡萄には縁起の良い意味が込められているのをご存知でしょうか。栗鼠は一度に複数の子を出産することから、また、葡萄は房にいくつもの実を付けることから「多産」を意味し、ひいてはそれが「子孫繁栄」や「豊穣」を連想させるとして、中国や朝鮮半島では古くから用いられてきた吉祥のモチーフなのです。さらに、葡萄は蔓が長く伸びる特徴から「続く」ことを連想させ、本作品のように葡萄や栗鼠と組み合わせることで、吉事が長く続くという、大変めでたい意味が込められた作品となっています。
2024年7月9日(火)から2024年12月22日(日)まで
コレクション展示・陶芸「浦上コレクション 東洋陶磁の美」にて出品
コレクション展示・陶芸「浦上コレクション 東洋陶磁の美」にて出品