五彩龍文壺 ごさいりゅうもんこ
- 中国・景徳鎮窯 明時代・ 万暦在銘(1573~1620)
- 当館蔵(浦上敏朗氏寄贈)
「五彩龍文壺」は中国・明時代に景徳鎮窯で焼かれた磁器で、高台内には萬暦【ばんれき】年間(1573~1620)の焼造であることを示す「大明萬暦年製」【だいみんばんれきねんせい】の銘があります。胴が膨らみラッパのように口が開いた形は「尊」【そん】と呼ぶ中国の古銅器を模したもので、表面には雲の間を悠々と飛ぶ赤龍と、雷文【らいもん】、芭蕉【ばしょう】の葉を意匠化した蕉葉文【しょうようもん】などが五彩と呼ばれる鮮やかな色絵で表されています。ところで、よく見ると2頭の龍の爪はいずれも5本に表されています。中国の龍は爪が3・4・5本のものがありますが、中でも5本(五爪【ごそう】)の龍は皇帝の象徴とされ、一般の人々の使用は厳しく禁じられていました。つまりこの龍は、皇帝のいる宮中で使用するためのやきものであることを物語っているのです。
2024年7月9日(火)から2024年12月22日(日)まで
コレクション展示・陶芸「龍―伝説への道」にて出品
コレクション展示・陶芸「龍―伝説への道」にて出品