青花龍文甕 せいかりゅうもんかめ
- 中国・景徳鎮窯 明時代・嘉靖在銘
- 当館蔵
「青花龍文甕」【せいかりゅうもんかめ】も明時代の景徳鎮窯で焼かれた磁器で、側面には二頭の大きな龍が青花(染付【そめつけ】)で表されています。下には波が描かれ、龍は如意宝珠【にょいほうじゅ】を追いかけて海上を飛んでいるように見えます。ただ、体には蝙蝠【こうもり】のような翼が生え、四肢は爪がなく魚のヒレのように表されているのが特徴的です。
一般に、中国の龍は翼がなくても飛べるというイメージがありますが、実は様々な種類があり、これは「応龍【おうりゅう】」という種類に該当します。中国古代の地理書『山海経【せんがいきょう】』によれば、応龍は伝説上の皇帝である黄帝【こうてい】と、神である蚩尤【しゆう】が争った際に黄帝が遣わした霊獣で、蚩尤を倒すためにまず水を蓄えたとされています。翼のある龍―応龍は水を蓄える甕のような器にはぴったりの図柄といえるでしょう。
2024年7月9日(火)から2024年12月22日(日)まで
コレクション展示・東洋陶磁・陶芸「龍―伝説への道」にて出品
コレクション展示・東洋陶磁・陶芸「龍―伝説への道」にて出品