色絵粟鶉文八角鉢 いろえあわうずらもんはっかくばち
- 日本・有田(柿右衛門様式) 江戸時代・ 17世紀後半
- 当館蔵(松村實氏御遺族寄贈)
端正に成形された柿右衛門様式【かきえもんようしき】の八角形の鉢です。絵付けされる前の純白の素地【きじ】は「乳白手【にゅうはくで】(濁手【にごしで】 )」と呼ばれており、この製法は江戸時代の延宝から元禄年間(1673~1704)にかけて完成しました。
余白を残した文様の描き方は柿右衛門様式の特徴で、ここでは朱に近い赤と黒で引かれた輪郭線の中を赤・緑・青・黄・金で塗り込める技法が見られ、粟、菊、桔梗と思われる秋草と二羽の鶉【うずら】が、純白を背景に優美に浮かびあがっています。
雌雄を表現するかのように、鶉の羽は色分けされており、この2羽は、おそらくはつがいと考えられます。うつわの周囲には花をモチーフとした装飾がめぐらされ、描かれた光景を華やかに引き立てる一方、さらにその外側の端部にめぐらされた金属的で落ち着いた茶色の口銹【くちさび】がうつわ全体を引き締めています。
2025年1月2日(木)から2025年4月13日(日)まで
コレクション展示・東洋陶磁・陶芸・工芸「萩美百華」にて出品
コレクション展示・東洋陶磁・陶芸・工芸「萩美百華」にて出品