山口県立萩美術館・浦上記念館|山口県萩市

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備前瓶(蕪徳利) びぜんびん(かぶらどっくり)

画像:[備前瓶(蕪徳利)]の画像

備前窯は「六古窯(ろくこよう)」のひとつに数えられる日本の代表的な窯で、岡山県備前市伊部(いんべ)を中心に焼き締め陶器を生産してきました。
今回ご紹介する徳利も桃山時代に備前で焼かれた作品で、蕪のようにどっしりと丸々とした姿から「蕪徳利(かぶらどっくり)」とも呼ばれています。

 粘土紐を積み上げてつくる紐づくりの作品で、器肌は箆で丁寧に整えられていますが、窯の高熱で口が傾いてしまったのか、動きのある造形となっています。
表面は備前焼独特の深みのある赤褐色に焼き上がり、胴には胡麻釉(ごまゆう)と呼ぶ黄褐色の自然釉や青灰色の窯変(ようへん)ができ、複雑な景色をつくっています。
また、肩まわりには別のやきものを被(かぶ)せて焼いたためにできる「火変わり」と呼ぶ色のコントラストが現れているのも備前らしい特徴です。
備前窯は中世には甕や壺、擂鉢といった実用的な生活用具を生産してきましたが、桃山時代になると逆にその質朴さが茶人に愛され、茶陶としても発展しました。
首を傾げて剽(ひょう)げた味わいを見せるこの徳利も、当時流行した茶の湯の美意識を濃厚に反映した作品と言えるでしょう。

 平安時代の終わり頃から現在まで長い歴史をもつ備前焼。
今も現地には窯跡が史跡として保存されており、廃棄された製品が積み重なる物原(ものはら)の前に立つと圧倒的な生産量を誇ってきた歴史を肌で感じることができます。
岡山方面に旅行に行くことがあれば立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

2026年4月28日(火)から2026年10月12日(月・祝)まで
コレクション展・東洋陶磁・陶芸展示「焼締陶―土と炎の造形美」にて出品

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