山口県立萩美術館・浦上記念館|山口県萩市

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東海道五十三次之内 御油 旅人留女 とうかいどうごじゅうさんつぎのうち ごゆ たびびととめおんな

歌川広重 うたがわひろしげ

画像:[東海道五十三次之内 御油 旅人留女]の画像

  江戸時代、庶民の旅は自分の足での移動が基本でした。その日どこまで行けるかは、体調や天候に左右され、予定どおりにゆくとは限りません。こうした事情もあって、旅人は宿屋を飛び込みで決めました。乗物を利用して目的地に向かい、ホテルも事前にネット予約する現代人からすると、江戸時代の旅はなかなかに胆力が試されそうです。
     宿屋は宿屋で客の争奪戦を繰り広げました。宿場を行き交う旅人に対して、強引に客引きするのは日常茶飯事。本作には、まさにその様子が描かれています。御油宿(現在の愛知県豊川市)の光景として描かれていますが、客引きはどの宿場でも見られたようです。
   もはや獲物でしかない旅人。留女(とめおんな)たちは力ずくで彼らを捕まえ、宿屋へ連れ込もうとしています。首の荷物を引っ張られている男性は、何とも苦しそう。一方の留女は楽しそうで、コントのような笑いに満ちています。その様子を、少し離れたところから生暖かい目で眺める女性たちも、いい味を出しています。
    さて、画面右手の宿屋にも注目しておきましょう。室内の壁には「竹之内板」、梁には「東海道続画」
「彫工治郎兵ヱ」「摺師平兵衛」「一立斎図」と書かれた札が架かり、さりげなくこのシリーズを宣伝しています。

 

 

 

 

2026年10月14日(水)から11月15日(日)まで
コレクション展・浮世絵「開館30周年記念 特別企画 歌川広重Ⅱ 東海道五十三次之内」にて出品

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