切嵌象嵌接合せ鉢「厳」 きりばめぞうがんはぎあわせばち げん
山本晃 やまもとあきら
- 1998年
- 口径24.2cm
- 当館蔵
山本晃(1944-)は、山口県生まれ。1987年に第34回日本伝統工芸展NHK会長賞、2013年に第60回日本伝統工芸展日本工芸会奨励賞など数々の受賞を果たし、2014年には重要無形文化財「彫金」の保持者に認定されます。2016年には功績が認められ、旭日小綬章を受章。
山本は、「切嵌象嵌」という技法を使った制作が特徴で、金属を素材としながらあたたかみのある作品を制作しています。このような作品の雰囲気は、たとえば金、銀、銅、またそれらの合金では各素材の配合率を変えることで表現する、何段階もの色調変化によるグラデーションがつくる色彩の豊かさ、また、取り上げる題材が自然、動物や植物など生気あふれるものであることによるものかもしれません。
本作品は、山の連なり、あるいは波濤を思わせるようなデザインですが、とくにその稜線を境に色調変化する様子が奥行のある景色を実現しています。また、切嵌象嵌は裏面にも同じ文様が現れることが特徴で、斜め上から鑑賞すると、さらに遠くへと景色が広がる様子は大変魅力的です。
2024年3月12日(火)から2024年6月23日(日)まで
コレクション展・工芸「山口県の伝統工芸Ⅱ―赤間硯・金工・漆芸―」にて出品
コレクション展・工芸「山口県の伝統工芸Ⅱ―赤間硯・金工・漆芸―」にて出品