山口県立萩美術館・浦上記念館|山口県萩市

陶芸2・工芸

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開催中のコレクション展

特集展示
追悼 人間国宝 山本晃―彫金のわざと美

2025年4月19日(土)~8月31日(日)

 本展覧会は、昨年12月28日に逝去し、山口県でただ一人の「人間国宝」であった山本晃【やまもとあきら】氏を追悼して、館蔵品をはじめとする作品により、その彫金【ちょうきん】のわざと美を紹介するものです。
 山本は、1944年に山口県光市で生まれました。1969年に東京デザイナー学院工芸工業デザイン科を卒業後、音響メーカー・クラリオン株式会社デザイン室に入社。インダストリアルデザイナーとしてカーオーディオのデザインを行う一方で、次第にジュエリーデザインに関心を抱き、独学で技術を学び始めます。そこで習得した彫金技術が、のちに作品制作の柱となる「接合せ技法【はぎあわせぎほう】」の礎となりました。
 また、山本の制作を支えたもう一つの重要なものとしては、金・銀・銅といった金属を組み合わせて創出したいくつもの色金があります。特に、銀と銅の組み合わせによってできる「四分一【しぶいち】」は、それぞれの配合比率を調整することで濃淡が現れて豊かな階調を実現し、情感あふれる表現へとつながるものとなりました。
 2014年にはその制作姿勢や技術の高さが認められて、重要無形文化財「彫金」の保持者(いわゆる「人間国宝」)に認定されます。 
 独学で彫金技法を学び、手探りの作家人生でしたが、既成概念にとらわれることなく、つねに「わざ」の限界を自らの方法で超えてきた山本の「わざと美」を、選りすぐった22点の作品と制作道具などを展示して紹介します。

出品目録(PDF)

ギャラリートーク(担当学芸員による作品解説)

  • 2025年6月28日(土)11:00~(約30分)
  • 2025年8月23日(土)11:00~(約30分)
  • 事前申込不要(要観覧券)
画像:山本晃
《切嵌象嵌接合せ箱「白椿」》
2009年
当館蔵
撮影:山﨑信一
山本晃
《切嵌象嵌接合せ箱「白椿」》
2009年
当館蔵
撮影:山﨑信一