山口県立萩美術館・浦上記念館|山口県萩市

陶芸1

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開催中のコレクション展

彩りの漆芸

2025年4月19日(土)〜8月31日(日)

 漆芸【しつげい】の技法の一つに蒟醤【きんま】と呼ばれるものがあります。素地の上に漆を塗り重ねてできた漆面を刃物で彫り、そこに色漆【いろうるし】を埋め、研ぎだして文様を形づくるものです。色漆を使うことで多様な色彩表現が可能となり、表現は精緻【せいち】なものになっていきます。
 山口県で活動する漆芸作家の忰山美知子【かせやまみちこ】(1950 〜)は、この蒟醤の技法を使って作品を制作しています。一つが1ミリにも満たない小さな穴を彫る「点彫り【てんぼり】」を多用してイメージを形づくり、その無数の小さな穴に色漆を埋めていくことで、文様を浮かび上がらせていきます。
 《蒟醤色紙箱「羽音」【きんましきしばこ「はおと」】》には、こうした細やかな技術で2匹の猫が生き生きと表現されています。さらに猫の視線を追っていくと、何かが飛んでいるかのようにも見えてきます。
 本展覧会では、点彫りと豊かな色彩による表現を特色とする忰山美知子の作品10点を展示し、忰山の蒟醬のわざと作品の魅力について紹介します。

出品目録(PDF)

ギャラリートーク(担当学芸員による作品解説)

  • 2025年5月24日(土)11:00~(約30分)
  • 事前申込不要(要観覧券)
画像:忰山美知子
《蒟醤色紙箱「羽音」》
1999年
当館蔵(忰山美知子氏寄贈)
撮影:山﨑信一
忰山美知子
《蒟醤色紙箱「羽音」》
1999年
当館蔵(忰山美知子氏寄贈)
撮影:山﨑信一