古萩
2025年9月30日(火)~12月21日(日)
萩焼は慶長9年(1604)、萩に入府した毛利輝元【もうりてるもと】(1553~1625)が、文禄の役【ぶんろくのえき】(1592~1593)を機に朝鮮から渡来した陶工に命じて製造させたのが始まりと伝えられています。以来、萩藩の御用窯【ごようがま】として江戸時代を通じて維持され、いつしか「一樂、二萩、三唐津」と謳【うた】われるように、茶陶【ちゃとう】としての名声を確立しました。
萩焼の造形や技法は、桃山時代に千利休【せんのりきゅう】(1522~1591)が確立した侘数寄【わびすき】の理念にかなう高麗茶碗【こうらいちゃわん】の特徴を取り入れており、これを吸収消化して独自の表現を達成してきたところに大きな意義があります。そしてその特徴は、時代の流れの中で侘数寄の美学を濃厚に伝える初期の萩焼茶碗というイメージと結びついて「古萩」【こはぎ】という美しい呼び名も生みました。
本展示では館蔵のコレクションのうち、江戸時代の萩焼茶碗を中心に紹介します。それぞれに異なる表情と侘【わ】びた佇まいをみせる古萩の世界をお楽しみください。
ギャラリートーク(担当学芸員による作品解説)
- 2025年10月25日(土)11:00~(約30分)
- 2025年11月22日(土)11:00~(約30分)
- 事前申込不要(要観覧券)

江戸時代前期
当館蔵