日本人を魅了した韓国のやきもの
2025年3月29日(土)~6月22日(日)
日本人は古くから韓国のやきものに特別な関心と親しみを持ってきました。高麗時代につくられた高麗青磁【こうらいせいじ】は、「翡色【ひしょく】」と呼ばれる翡翠【ひすい】のような緑色を帯びた釉薬【ゆうやく】が特徴で、その美しさから日本でも多くの愛好家がいます。一方、朝鮮時代の前半には粉青沙器【ふんせいさき】が、後半には白磁【はくじ】が盛んにつくられました。粉青沙器は象嵌【そうがん】文様をもつ高麗青磁から発展したもので、刷毛目【はけめ】や掻【か】き落【お】としなどさまざまな白土【はくど】装飾によりいくつもの表情を見せる点が魅力です。さらに、白磁はやわらかい味わいのものが好まれ、とくに白磁の大壺は、ふっくらとしたその造形美が、文豪・志賀直哉【しがなおや】や思想家・柳宗悦【やなぎむねよし】などの多くの日本人に愛されてきました。
本展覧会では、高麗時代につくられた高麗青磁をはじめ、朝鮮時代の白磁や粉青沙器のほか、鉄釉のかかった黒いやきもの、鉄絵で描かれた鉄砂【てっしゃ】や青のコバルト顔料で風景などを描いた青花【せいか】などを展示し、これまで日本人を魅了してきた韓国のやきものの魅力について紹介します
ギャラリートーク(担当学芸員による作品解説)
- 2025年4月26日(土)11:00~(約30分)
- 事前申込不要(要観覧券)

朝鮮時代・17世紀後半~18世紀前半
当館蔵(松村實氏御遺族寄贈)