水野年方
2025年3月29日(土)~4月20日(日)
水野年方(1866-1908)は、浮世絵師 月岡芳年【つきおかよしとし】(1839-1892)の門人として画技を習得した後、他流派の柴田芳洲【しばたほうしゅう】、三島蕉窓【みしましょうそう】、渡邊省亭【わたなべせいてい】からも画風を学び、穏やかで気品ある画風を確立しました。はじめは新聞や小説の挿絵、浮世絵制作に携わり、明治20年代(1887-1896)半ばから浮世絵が終焉を迎える明治30年代(1897-1906)にかけては、浮世絵版画でありながらも日本画を想わせる美人画のシリーズを次々と発表していきます。また同じ時期には、木版口絵(雑誌や書籍の巻頭に折り込まれた一枚摺の口絵)も数多く手掛けました。その後は、時代の変化とともに日本画家へと転じ、鏑木清方【かぶらぎきよかた】(1878-1972)をはじめ多くの門人を育成しました。このような年方の画業は、浮世絵の画系を次世代の日本画へとつなぐ役目を果たしたと言えます。今回の展示では、年方の浮世絵や木版口絵を中心に紹介します。
ギャラリートーク(担当学芸員による作品解説)
- 2025年4月12日(土)11:00~(約30分)
- 事前申込不要(要観覧券)

《三十六佳撰 花見 文政頃婦人》
明治26年(1893) 大判錦絵