山口県立萩美術館・浦上記念館|山口県萩市

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切嵌象嵌接合せ箱「白椿」 きりばめぞうがんはぎあわせばこ しろつばき

山本晃 やまもと あきら

画像:[切嵌象嵌接合せ箱「白椿」]の画像

 山本晃(19442024)は、山口県光市生まれ。1969年に東京デザイナー学院工芸工業デザイン科を卒業します。その後、音響メーカー・クラリオン株式会社デザイン室に入社し、カーオーディオのデザインをおもに行っていました。この頃から趣味でジュエリーデザインを学び、この時に習得した彫金【ちょうきん】技術が、のちに山本の技法の柱となる「接合せ技法【はぎあわせぎほう】」の礎となります。金・銀・銅といった金属から生み出された色金【いろがね】と接合せ技法によって、情感あふれる作品を数多く制作した山本は、技術の高さが認められて2014年には重要無形文化財「彫金」の保持者(いわゆる「人間国宝」)に認定されます。
 本作品は、接合せ技法を巧みにつかって制作された蓋付きの箱です。蓋の表面に表現されている文様は、椿の群生が奥へと続くような様子を想起させるようです。可憐に咲く白椿はこのなかでいち早く咲いたのでしょうか、つぎに開花を待つ蕾の存在もあって、これから満開の季節を迎える、そんな高揚感さえも感じるようです。

2025年1月2日(木)から2025年4月13日(日)まで
コレクション展・東洋陶磁・陶芸・工芸「萩美百華」にて出品

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