幻燈写心競 女史演説 げんとうしゃしんくらべ じょしえんぜつ
楊洲周延 ようしゅうちかのぶ
- 明治23年(1890)
- 大判錦絵
- 当館蔵
ぶ厚い洋書を小脇に抱えた女学生。明治初年に女学校が開校されると、女学生という新たな階層が誕生し、教養ある女性の象徴となりました。本作に描かれている彼女も、いかにも聡明そうな引き締まった顔つきをしています。連れている洋犬はボルゾイでしょうか。
背景に描かれた大きな円は、幻灯絵(幻灯機[スライド映写機の原型]で映し出された画像)を再現したもの。多くの人の前で、雄弁に演説する女史の姿が浮かび上がります。表情や身ぶりを使い、喜怒哀楽を交えながら意見を述べる演説は、自由民権運動によって日本各地に広まり、人々の関心を集めました。映し出された女史の姿は、しっかりと自分の思想を持ち、社会で活躍したいという女学生の憧れを投影したものと解釈できそうです。
2026年7月28日(火)から8月23日(日)まで
コレクション展・浮世絵「明治の美人画 楊洲周延Ⅱ」にて出品
コレクション展・浮世絵「明治の美人画 楊洲周延Ⅱ」にて出品